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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.49 NO.6 2004
    蛋白質 核酸 酵素

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A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ 特集

幹細胞の運命を決定するシグナル
編集:仲野 徹

序論 
仲野 徹

ES細胞の自己複製を維持するシグナル
山中伸弥

ES細胞の臨床応用のためには無血清培地による培養が必須である.その実現を目指して,ES細胞の自己複製を維持するシグナル伝達の研究が加速度的に進行している.

生殖幹細胞とニッチ
甲斐歳恵

多くの幹細胞はニッチとよばれる微小環境で維持されていることがわかってきている.ショウジョウバエの雌性生殖幹細胞を例に,その実体やシグナルについて,最近の知見を概説する.

神経幹細胞の系譜制御機構
中島欽一

神経系の再生医療応用において不可欠な,神経幹細胞系譜制御機構の解明が急速に進みつつある.細胞外シグナルと細胞内在性因子との精妙に連関した系譜制御機構が分子レベルで明らかになろうとしている.

毛包を構成する幹細胞システムとその分子制御機構
大沢匡毅・西村栄美

幹細胞ニッチによる幹細胞制御機構を解明するためには,組織内において個々の幹細胞の存在部位を特定し,周辺の微小環境を理解する必要がある.毛包は個々の幹細胞を特定することが可能であり,幹細胞研究のよいモデルシステムとなる.

造血幹細胞の運命制御機構
依馬秀夫

Bmi-1は造血幹細胞の能力を分子レベルで理解するための,Wnt3aは造血幹細胞の制御機構を分子レベルで理解するためのキー分子となりえるだろうか? これら2つの分子に注目して,造血幹細胞制御を考察する.

骨格筋の再生を支える幹細胞システム
橋本有弘

最近,骨格筋組織から多能性を有する幹細胞様細胞が複数分離・同定され,注目を集めている.はたして骨格筋は幹細胞の宝庫なのか? 今“教科書的事実”の再検討が始まっている.

 ■ Review

フィトクロムの細胞内シグナル伝達機構再考
松下智直・長谷あきら

フィトクロムは1959年の発見以来,精力的に研究されてきたが,その分子構造と機能に対するこれまでの考え方が最近180度覆され,従来とはまったく異なる視点からフィトクロムのシグナル伝達機構を見つめ直す必要が生じた.

 ■ Short Review

代謝・生合成系進化を解明する鍵となる新しいリジン生合成系
西山 真

高度好熱菌で見つかったリジン生合成系は,原始の生合成系に特徴的と考えられる性質を有していた.このユニークな生合成系は,生物が初期システムを構築,進化していく過程を解き明かす鍵になるかもしれない.

 ■ Fraction Collector

ナチュラルキラー細胞および樹状細胞活性化分子の発見

脳再生の限界が見えた?

ホメオボックス遺伝子の抑制的調節因子geminin

脊椎動物の左右はカルシウム濃度によって決定される

伝家の宝刀の切れ味
ハンチントン病におけるcaspase-2の役割

“ソルチリン”が神経細胞死のシグナルを伝達する

糖鎖,あれもこれも

 ■ 解説

SARS,新型インフルエンザ,トリインフルエンザ
missing linkを探して

板村繁之

いま深刻な問題となっているトリインフルエンザの背景にあるのは何か.その基盤についてSARSや新型インフルエンザとともに,その原因ウイルスの起源と出現機序から紹介する.

 ■ シリーズ バイオインフォマティクスの広がり

(5)医療から見たバイオインフォマティクス
水島 洋

ヒトゲノムの解析が終わった現在,バイオインフォマティクスを最も必要としているのが医療である.医療機関における情報処理の必要性から,医療とバイオインフォマティクスの関連性を解説する.

 ■ シリーズ 生命科学者のための特許講座

(5)研究に役立つ特許調査
小林基子

研究スタート前の特許調査が研究の成功を左右する.特許調査の対象となる特許情報とは何か.特許情報にアクセスするにはどうすればよいのか,どのような検索キーを使えばよいのかなど,研究に役立つ特許調査のポイントを具体的に説明.

 ■ 今月のKey Words

自己複製 ニッチ,ニッシェ 幹細胞性 W突然変異とSl突然変異

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 大学院・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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