PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.49 NO.5 2004 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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X線によるDNA傷害とアポトーシス
清水重臣・小西昭充・辻本賀英
X線誘導性アポトーシスの分子機構はこれまで不明な点が多かった.筆者らは核DNAの高次構造維持にかかわっているヒストンH1.2が,DNA傷害のシグナルをミトコンドリアに伝える分子であることを見いだした.
結晶構造解析が解いた核蛋白質輸送因子importinβの本態
米田悦啓・李守宰
分子細胞生物学と構造生物学の有機的連携により,核蛋白質輸送因子の代表であるimportinβの機能構造的本質が見えてきた.これは,1つの分子がさまざまな性質の異なる分子と相互作用する様式を理解するための基盤となるであろう.
培養下における生殖細胞分化
野瀬俊明
「培養皿の中でES細胞が卵や精子に変わる」,この信じられない出来事が実際に起こることが,最近の研究で示された.研究成果の詳細と今後の生殖・再生医療にもたらす意義について概説する.
キサンチン脱水素酵素から酸化酵素への蛋白質構造・機能の変換の分子機構
蛋白質のコンフォメーションスイッチとリレー系
岡本 研・桑原慶充・西野朋子・西野武士
活性酸素,臓器障害,乳汁分泌など,さまざまな医学的現象とのかかわりが報告されているキサンチン酸化還元酵素の活性変換であるが,その機構は連鎖的で精緻な構造変化によることが明らかになってきた.
シロイヌナズナを用いたエピジェネティクス研究
佐瀬英俊・角谷徹仁
近年のエピジェネティクス研究の進展には目覚ましいものがある.モデル植物シロイヌナズナを用いた研究がもたらした最近の知見を紹介する.
トランスグルタミナーゼの多機能性
長谷川 豪・斉藤佑尚
蛋白質がその機能を発揮するには,適切な翻訳後修飾を行なう必要がある.トランスグルタミナーゼは架橋結合形成にかかわる酵素だが,近年,それ以外にもさまざまな生理機能をもつことが知られてきた.その多機能性と関与する生理現象を紹介する.
植物病原細菌ファイトプラズマの全ゲノム解読の意義
退化的進化を遂げた微生物の生存戦略
大島研郎・難波成任
細胞内に寄生するバクテリア,ファイトプラズマのゲノムには顕著な退行的進化が認められ,周囲の環境に適応した巧みな生存戦略が明らかとなった.他の寄生細菌や共生細菌にふれながら,ゲノムの多様性について考察する.
ようやく突きとめられたワーファリンの標的遺伝子
比較ゲノムやRNAiの手法を用いたクローニング
カルシウムがつくる樹状突起のかたち
なぜヒトはマラリアで死ぬのか
脳の血管に発現するマラリアレセプター
深く息を吸うことを学習する
華麗なる仕事師,オチョア
丸山工作
代謝研究の先駆者で,RNA合成酵素の発見の後,遺伝子暗号の解読に貢献したオチョア.常に流行の先端に立った彼は,批判も受けたが,後進に惜しみない愛情を注ぎ,自らは自然の神秘を明るみに出すことに無常の喜びを感じる真の研究者であった.
蛋白質立体構造のデータベースと特許をめぐる動き
中村春木
より国際的な活動を行なうために設立された蛋白質構造データバンクWorldwide PDBの設立の意義と今後の展開について述べるとともに,蛋白質立体構造が特許申請の対象となるのか否か,現在の状況を解説する.
(4)いざ出願? 手順,費用と特許権の帰属
石埜正穂
特許の出願にあたっては考慮すべきさまざまな問題がある.出願書類をどう整えるか,費用はどうするか,どこの国に出願するか.また,そもそも権利の帰属はどうなるのか.これらのポイントについて喚起を促し,考察を加える.
(4)創薬からバイオインフォマティクスを見る
DNAマイクロアレイ解析を例として
門脇正史・辻本豪三
創薬研究ツールとして,DNAマイクロアレイはなくてはならない道具となった.しかし,本当にデータを有効活用できているのだろうか? データ解析の現状をできるだけ広く伝えたい.
BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp
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