PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.49 NO.4 2004 |
|
3
|
A4変型判 100ページ T1105941091588
|
ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
|
|
特集 ウイルスの感染防御突破戦略
インターフェロンシステム抑制の分子機構
編集:藤井暢弘
総論:ウイルス感染とインターフェロンシステム
藤井暢弘
細胞とウイルス間の戦いが分子レベルで把握されるようになった.ウイルスの戦略は巧妙であり,IFN産生,JAK/STAT情報伝達系,抗ウイルス蛋白質の機能阻害に留まらず,特異免疫機構の抑制にまでその影響は拡大しつつある.
ウイルスによるインターフェロン誘導の抑制
IRF-3の活性化を抑制するウイルス
後藤 敏・小松孝行・竹内健司
インターフェロンの誘導には,パラミクソウイルスのセンダイウイルスがよく利用される.しかし,このウイルスにさえ,インターフェロン産生を負に制御する機構が備わっていた.
ウイルスによるJAK/STAT情報伝達系抑制機構の多様性
横田伸一・横沢紀子・岡林環樹・藤井暢弘
多くのウイルスは宿主自然免疫の最前線のINFシステムを細胞内情報伝達のレベルで抑制している.JAK/STAT系は多くのサイトカインにおいて中心的な役割を果たしているが,ウイルスは実に多彩な方法でこの系を抑制している.
C型肝炎ウイルスのインターフェロン抵抗性の分子機構
仲 一仁・加藤宣之
HCVによりひき起こされる慢性肝炎はIFN抵抗性を示すことから大きな社会的問題となっている.IFN抵抗性の分子機構解明を目指し,世界の第一線の研究者たちが激しくしのぎを削るなか,このメカニズムが解明されようとしている.
電子顕微鏡で解かれたべん毛ナノマシン
米倉功治・眞木さおり・難波啓一
細菌の運動器官であるべん毛は,細胞膜内で回転するモーターと細胞外に細長く伸びてプロペラとして働くべん毛繊維などからなる超分子ナノマシンである.極低温電子顕微鏡法から得られたべん毛繊維の原子モデルについて紹介する.
細胞核におけるアクチンファミリーの多様な機能
原田昌彦
アクチンの進化的なファミリーは細胞核の構築や機能に関与しているのだろうか? 長い間論争のあったこの問題が最近のアクチンとアクチン関連蛋白質の研究により解かれようとしている.
パラミクソウイルスのアクセサリー蛋白質 IRF
HCVとHCVレプリコン細胞
左右差形成に機能するマイクロRNA
線虫で明らかになったRNAの新しい役割
低分子RNAを生成するダイサーは発生に必須
Wooさん,お帰りの切符がありましたよ
スルフィン酸を還元する蛋白質,スルフィレドキシンの発見
アルツハイマー病治療薬候補NSAIDsの標的はRho
VI型コラーゲンがミトコンドリアの機能を制御する
遺伝子組換え生物規制法の成立とその背景
依田次平
わが国のバイオテクノロジー規制のあり方は,一貫性がなく,論理性も希薄である.このことは事業活動に向けての活力を弱め,今後のバイオ産業発展にとって好ましい状況ではない.
文部科学省における組換えDNA実験指針の法制化
高橋伸一郎・石田大喜・宮本大・大坪憲弘・上田順市・根井充
「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」の採択に伴い,「組換えDNA実験指針」が法制化される.わが国が制定した「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」について簡単に解説する.
(3)計算化学から見たバイオインフォマティクス
蛋白質シミュレーションとグリッド計算環境
青柳睦・何希倫
グリッドコンピューティングは,バイオインフォマティクスの研究にとってブレークスルーとなりうるのだろうか? 連成シミュレーションという手法を例に解説する.
(3)特許になるものとならないもの
B.新しく,自明でなく,かつ具体的な発明
石埜正穂
特許という名の独占権が与えられるためには,発明がきちんと定義され,発明の独自性や具体性などについてもしっかり担保されている必要がある.では実際にどのようなことが要求されるのだろうか.バイオの事情にふれながら考察する.
丸山工作先生を偲んで
大日向 昂
RNAはやっぱり面白い! RNA 2003 Kyoto
“The New Frontier of RNA Science”より
片岡直行
BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp
|