PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.49 NO.2 2004 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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特集 動物の性はどのように決まるか?
性決定機構の共通性と多様性
編集:長濱嘉孝
序論 長濱嘉孝
プラナリアにおける生殖戦略転換機構
小林一也・松本 緑・星 元紀
子孫を残すという使命をもつ生物は,さまざまな戦略を発達させてきた.多くの動物が行なっているものの,いまだ謎が多い有性生殖と無性生殖を転換する機構に対し,プラナリアを用いてその解明に取り組む.
カイコの性決定機構 とくにショウジョウバエの性決定との比較
嶋田 透
ショウジョウバエの性決定機構は全生物で最もよく解析されている.一方,同じ昆虫でもカイコの性決定は見かけ上ショウジョウバエとまったく異なる.分子レベルでカイコとハエは何が違い,何が共通しているのだろう.
魚類の性決定と生殖腺の性分化/性転換
長濱嘉孝・小林 亨・松田 勝
性において高い可塑性を示す魚類は,性決定/分化の研究に格好な生物モデルとなる.哺乳類以外で最初に同定されたメダカの性決定遺伝子DMYの構造と機能,およびティラピアを用いた生殖腺の性分化/性転換に関する研究を紹介する.
爬虫類と両生類の性決定 温度依存性決定機構
中村正久
爬虫類のワニやカメは孵卵温度で性が決まる.この性決定様式はきわめてユニークである.本稿では,その仕組みについて,最近までに得られた知見をまとめて解説する.
哺乳類における生殖腺の性分化
諸橋憲一郎・福井由宇子
性分化のメカニズムは動物種によって異なるが,その分子メカニズムがしだいに明らかになってきた.どうも性というのは,雄になる力と雌になる力,およびそれらに対し抑制的に働く力のバランスによって決まるものらしい.
X線小角散乱を使った蛋白質の折りたたみ運動のリアルタイム観察
高橋 聡・鵜澤尊規・藤澤哲郎
蛋白質が自発的に折りたたまれる過程をリアルタイムで観察するために,高速の溶液ミキサーと放射光を利用したX線小角散乱の測定装置を開発した.この装置を使ってアポミオグロビンの折りたたみ過程を調べた結果とその意義を紹介する.
線虫の細胞分裂を制御する糖鎖コンドロイチン
水口惣平・野村和子・出嶋克史・安藤恵子・三谷昌平・宇山 徹・北川裕之・菅原一幸・野村一也
いままで,細胞分裂における細胞表面の役割についてはほとんどわかっていなかった.筆者らはモデル生物である線虫を用いて,コンドロイチンとよばれる細胞表面糖鎖が細胞が2つに分裂するのに必須であることを初めて明らかにした.
植物の表皮細胞の発生機構
大橋洋平
植物の表皮細胞上には地上部,地下部(根)において異なる細胞が分化している.GL2はこれらの発生に共通して機能する遺伝子である.本稿ではGL2を中心とした植物表皮細胞の発生機構の最新の知見を紹介する.
核小体で会いましょう
濁ってしまっても大丈夫?
凝集体から蛋白質を溶かし出す分子シャペロンの構造
無意味なものなど存在しない? TrkB-T1の新しい機能
甲状腺刺激ホルモンが骨のリモデリングを直接制御する
生きるためにはエネルギーが必要!?
手をつないでもいいかしら?
ジヌクレオシドリン酸エステルとC型肝炎
緑茶のもつ薔薇色の効能:肥満予防
2003年度ノーベル化学賞 Peter Agre博士の業績
佐々木 成
Kチャネル研究に与えられたノーベル化学賞の意味
曽我部正博
バイオインフォマティクス・システム生物学の米国の動向
ゲノム・蛋白質・バイオシステム解析の統合へ急展開
八尾 徹
新しい「ゲノム時代」がやってきた.ゲノムを基点とする生命現象の総合的な理解を目指そうとする動きは,非常な活気を呈している.その施策やセンター・学科の新設の動向を紹介する.
(2)育種からバイオインフォマティクスを見る
佐々木卓治・松本 隆・並木信和・長村吉晃
イネ“育種”にゲノム情報の積極的利用が求められている.各種ゲノム関連データベースの整備と,そのなかから育種に求められるパラメータを抽出し,それらを取り込んだバーチャルイネのシミュレーションの試みなどを概説する.
(2)特許になるものとならないもの A.有用な発明
石埜正穂
有用な発明だけが特許の対象となる.その根拠は特許法の存在理由にある.では,「有用」とはどういう意味か.そもそも「発明」とは何なのか.バイオ特許特有の事情にふれながら考察する.
BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp
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