PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.48 NO.14 2003 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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トロポニンの結晶構造とカルシウム調節のメカニズム
前田雄一郎・武田壮一・森本幸生・大槻磐男
骨格筋と心筋の収縮は細胞内カルシウムイオン濃度変化により調節されている.最近,カルシウム受容蛋白質であるトロポニンの結晶構造が解明された.これによりカルシウム調節のメカニズムを全面的に解明する材料と条件が揃った.
シロイヌナズナ完全長cDNAを用いた植物ゲノムの機能・発現解析
関 原明・石田順子・櫻井哲也・佐藤将一・中嶋舞子・槐 亜希子・秋山顕治・飯田 慶・大野陽子・篠崎一雄
完全長の相補的DNA(cDNA)は,ゲノム配列の正確な注釈ならびに遺伝子やその産物の機能解析に必須である.本稿では,シロイヌナズナ完全長cDNAを用いた遺伝子の機能解析の現状と今後の予定について説明する.
光合成最適化への光センサー,フォトトロピンファミリー
河合-豊岡博子・和田正三
植物の光受容体の一種であるフォトトロピンファミリーは,この1,2年で新たな機能が次々に明らかになるなど,研究の進展が著しい.フォトトロピンファミリーを介した,植物が効率よく光を受けるためのシステムが明らかにされつつある.
偽遺伝子によるmRNAの安定性の制御
広常真治
偽遺伝子はこれまでゲノムの進化の過程で生じた「がらくた」と考えられていた.しかし,実は偽遺伝子には隠された役割があることが,今回の結果からわかった.
加速進化による蛋白質機能・構造の変化
魚類ガレクチンを例として
白井 剛・塩生-光山くらら・小川智久
加速進化遺伝子は適者生存のダーウィン進化をする遺伝子である.魚類ガレクチンの構造解析から,加速進化が新規な蛋白質構造を生み出す力があることが示唆された.
ラミニン・ナイドジェン複合体の立体構造
蛋白質結合インターフェースの特異性と普遍性はいかに保たれるか?
高木淳一
構造的によく似たドメインも,異なる蛋白質中ではまったく異なる生理的役割を果たすことがある.機能的多様性と普遍性を同時に獲得してきた蛋白質間結合インターフェースの一例を構造化学的に解説する.
血管新生阻害因子の産生機構と腫瘍抑制
岩田淳一・山本健二
アスパラギン酸プロテアーゼのカテプシンEおよびカテプシンDは内在性血管新生阻害因子(エンドスタチンおよびアンジオスタチン)の産生責任酵素であり,癌治療の新たな標的酵素となる可能性がある.
鳥類における遺伝子量補正機構
黒岩麻里・松田洋一
鳥類の性染色体に遺伝子量補正機構は存在するのか? 長年にわたり不明であったこの謎が,ようやく紐解かれようとしている.鳥類における補正機構研究の歴史と現状を紹介する.
ジャックの豆の木はどうして天に向かって伸びたのか
液胞の形態形成が重力受容に果たす役割
ウイルスの侵入を止める
サイトメガロウイルス受容体の同定
TRPチャネルの新機能
カルシウム波から神経突起伸展へ
セマフォリンのインテグリンを介した神経軸索の伸長促進
免疫系・神経系・ECMの相互作用
精神疾患と自己抗体の関係
2型糖尿病にはまず運動療法と食事療法
その分子的根拠はPGC-1αにあった
幻の「田宮語録」
赤澤 堯
戦前戦後を通して植物生理学の発展に大きく貢献した先賢,田宮 博博士の名言集.実験・研究の進め方,論文の書き方など,時代をこえて示唆を与える.
超微量蛋白質同定のための諸要素
岩松明彦
蛋白質には比較的簡単に1次構造が決定できる場合と,構造解析の専門家が行なっても容易には構造決定に至らない場合がある.その理由を明らかにし,構造解析成功のための諸要素を多角的に提示する.
■ シリーズ あなたにも役立つバイオインフォマティクスII |
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(12)大規模解析に完全長cDNAを活用する
伊藤 剛・五條堀 孝
ヒトのゲノム全長が配列決定された今,遺伝子機能解析を具体化するための手立てとして完全長cDNAが注目を集めている.ここではcDNAを利用した情報解析の方法を解説する.
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