PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.48 NO.10 2003 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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RNAウイルス複製機構解明がもたらすもの
編集:永田恭介・加藤 篤
序論
永田恭介・加藤 篤
レトロウイルスの発現抑制のエピジェネティクス
伊庭英夫
レトロウイルスが宿主内でジーンサイレンシングを受けることは20年前から知られていたが,最近その新たな分子機構の一端が明らかにされた.本研究はポストゲノム時代のエピジェネティクス研究にも大きく貢献するであろう.
インフルエンザウイルスのゲノム機能を支える宿主細胞因子
永田恭介・百瀬文隆・滝沢直己
インフルエンザウイルスを制御するために,また利用するためにはウイルスのことがわかるだけでは十分ではない.インフルエンザウイルスゲノムの複製と転写はなぜ核の中で起こるのだろうか?
インフルエンザウイルス・ゲノムパッケージングの謎
8種類のRNA分節がどのようにして粒子中に取り込まれるのか?
藤井 豊・渡辺登喜子・堀本泰介・河岡義裕
インフルエンザウイルスがもつ8分節のゲノムRNAの粒子へのパッケージング機構は古典的命題である.蛋白質翻訳領域の両末端に各分節固有の“パッケージングシグナル”の存在が明らかとなり,8分節が選択的に粒子に取り込まれる説が有力となった.
センダイウイルスアクセサリーC蛋白質の機能
加藤 篤
C蛋白質ノックアウトセンダイウイルスはRNA/蛋白質合成ともに細胞内で親株に劣ることはない.ところが,ウイルス粒子産生は激減し,マウスでの病原性はほとんど消失していた.C蛋白質はいかに機能しているかに迫る.
センダイウイルスのリバースジェネティクスを活用した新規遺伝子治療用RNAベクター
細胞質遺伝子治療の確立へ向けて
飯田章博・長谷川 護
細胞質遺伝子治療の実現をめざす,高性能・安全なベクターとして期待されるマイナス鎖非分節型RNAゲノムをもつセンダイウイルスベクターの,リバースジェネティクス技術を利用した開発の現状を紹介する.
細胞成長を司る情報伝達システムの中央情報集積装置mTOR複合体
吉野健一・徳永千春・原 賢太・米澤一仁
細胞成長は,細胞分裂とともに形態形成、個体維持のために厳密な制御を受けている.これを司るmTOR情報伝達系に新規蛋白質raptorが見いだされ,細胞成長を司る中央情報集積装置mTOR複合体の存在が明らかとなった.
生体内における蛋白質ジスルフィド結合形成の仕組み
門倉 広
生体内で起こる,正確で迅速な蛋白質のジスルフィド結合には,多くの酵素触媒や低分子物質による共同作業が必要である.その分子機構が,近年の大腸菌における解析から明らかになってきた.
光合成明反応の光障害の回避機構
明らかになった循環的電子伝達の役割
鹿内利治・宗景ゆり
光合成電子伝達の大筋は,Zスキームにより説明され,光化学系I循環的電子伝達の寄与は軽視されてきた.しかし,最近の遺伝学を用いたアプローチにより,明反応の基本的な部分を考え直す必要が生じてきた.
ビコイドは不要? 昆虫の前後軸パターン形成に関する新発見
核ラミンの遺伝子異常が早老症をひき起こす
リチウムは躁うつと痴呆の特効薬か
上皮バリアの修復機構 シンプルかつエレガント
細胞内輸送が渋滞すると… ALSの新たな発症メカニズム
弓の真相
水島 昇
“…きっとアーティファクトに決まっている.どのようなアーティファクトでこのような結果が出うるものかと,いろいろな可能性を考えたり,試したり…”
多次元HPLC法のグライコミクス解析への展開
高橋禮子・栗本英治・山口芳樹・加藤晃一
筆者らの研究室で展開している糖鎖構造解析法を紹介する.この方法は,細胞・組織レベルの糖鎖プロファイリングやバイオインフォマティクスへの広がりをみせつつあり,「糖鎖の時代」における強力な研究ツールとなるであろう.
(2)公正倫理の研究機関マニュアル
米国科学アカデミー・研究公正倫理委員会/白楽ロックビル(訳)
インフルエンザウイルス センダイウイルス 宿主因子
エピジェネティクス
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