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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.48 NO.1 2003
    蛋白質 核酸 酵素

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A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ Review

RNAポリメラーゼホロ酵素の結晶構造が示す転写開始のメカニズム
関根俊一・D. G. Vassylyev・横山茂之

RNAポリメラーゼは遺伝子の転写をつかさどる巨大な分子工場である.転写開始因子を結合したRNAポリメラーゼホロ酵素の結晶構造解析によって,転写開始の分子機構の詳細が明らかになってきた.

mRNA合成速度の分子スイッチ
和田忠士・山口雄輝・半田 宏

低分子化合物がRNAポリメラーゼIIの活性を特異的に阻害する.そのメカニズムを分子レベルで解析すると,mRNA合成速度の分子スイッチが明らかになった.ケムバイオを代表する研究成果を紹介する.

新規尿酸トランスポーターURAT1の同定と尿酸研究の現況
遠藤 仁・宮崎博喜・安西尚彦

存在が予測されていた尿酸/陰イオン共輸送体が,ヒトゲノムデータベースからin silicoクローニングされた.これは特発性低尿酸血症の原因遺伝子である.高尿酸血症・通風との関連も考えられ,今後,尿酸の機能研究が加速されるであろう.

 ■ Short Review

異物排出トランスポーターの結晶構造,ついに決まる
村上 聡・山口明人

異物排出トランスポーターのX線結晶構造がついに決定された.これにより,異物を認識する仕組み,能動的に物質を輸送する仕組みが初めて構造をもとに理解できるようになった.多剤耐性克服のための薬剤分子設計も期待できる.

古細菌の分子シャペロンの世界
シャペロニンを中心にして

吉田尊雄・養王田正文・丸山 正

真核生物の起源が古細菌と真正細菌の共生体だとしたら,現生の古細菌は原始的な蛋白質折りたたみシステムを維持しているのであろうか?最近の研究から,古細菌のシャペロニンの作用機構とサブユニットの機能分担が明らかになってきた.

 ■ Topics


足が出た四肢発生モデル
川上泰彦・野地澄晴

脊椎動物の四肢発生系で,これまでの形態形成のメカニズムのモデルでは説明できないデータや衝撃の結果が2002年の夏に発表され,発生生物学の分野をゆるがしている.真のメカニズムは何か?現在の状況を解説する.

 ■ Laureate

2002年度ノーベル化学賞 Kurt Wuthrich博士の業績
曲がりくねった1本の道

甲斐荘正恒

 ■ 解説

ノーベル化学賞受賞に導いた“魔法のマトリックス”とは
田中耕一氏の頭上で運命の女神が微笑んだ瞬間

高山光男

 ■ Fraction Collector

脂質二重膜をあやつる蛋白質

誘引と反発 神経回路形成のメカニズムの理解がまた一歩深まった

Mycは活性化p53の作用をアポトーシスに向ける

肺胞上皮細胞のIL-13/STAT6系が喘息を誘導

血管新生治療に新たな光

成長因子がナトリウムチャネルを開く

コレステロールに触れる カタブツを柔らかく使いこなす

コラーゲンをつくるか分解するかの微妙な調節
サイトカインと転写因子による細胞外マトリックス代謝の制御

 ■ 生化学研究の巨人たち

マックス・ペルーツ 蛋白質の3次元構造を解明(下)
丸山工作

長い不毛の期間を耐え,ペルーツはついにヘモグロビンの立体構造を解明し,ノーベル化学賞を受賞した.そして,ケンドルー,ワトソン,クリック,アンフィンセン,サンガー,ブレンナーらノーベル賞学者に影響を与えた.

 ■ シリーズ 科研費のしくみ New

(1)科研費とは
小林 靖

 ■ シリーズ あなたにも役立つバイオインフォマティクスII

(4)Gene Ontologyを遺伝子の機能アノテーションに活用する
高井貴子・高木利久

Gene Ontologyとは? オントロジーとは? 概念とは? 知識とは? 機能とは? ゲノムサイエンスに知識を扱う新しい分野が生まれつつある.

 ■ 学会見聞記

第15回 ヌクレオシド,ヌクレオチド,核酸 国際ラウンドテーブル
実吉峯郎

 ■ Report

サイエンスコミュニケーションとは?
科学との新しいかかわり方

工藤光子

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・大学院生募集・アナウンスメント 索引

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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