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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.47 NO.6 2002
    蛋白質 核酸 酵素

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A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ 特集

蛋白質フォールディングの諸問題
編集:桑島邦博・後藤祐児

序論
ポストゲノム時代のフォールディング研究
後藤祐児・桑島邦博

蛋白質フォールディングの2つの描像
普遍的描像は可能か?
 桑島邦博・新井宗仁

蛋白質フォールディングの普遍的原理とは何であろうか? この問題をめぐって,現在,多くの議論が巻き起こっている.このあたりの問題を平易に解説し,普遍的原理のひとつとして提案されている階層的フォールディングについて言及する.


β2ミクログロブリンのアミロイド線維形成
後藤祐児・星野 大

アミロイド線維は蛋白質が間違ったフォールディングをして形成されるものであり,さまざまな病気で見つかっている.β2ミクログロブリンのアミロイド線維の解析から,アミロイド線維がナノスケールの針である仕組みを提案する.


蛋白質のフォールディング/アンフォールディングダイナミクス
レーザー温度ジャンプ法による研究
水谷泰久・山本晃司・北川禎三

「蛋白質のフォールディング(あるいはアンフォールディング)はどのような構造変化からスタートするのか」という問いに対する答えが,レーザー温度ジャンプ法を用いた研究から明らかになりつつある.


分子進化とフォールディング機構
笹井理生・寺田智樹

フォールディング機構の研究は,蛋白質の動的な振る舞いに対するわれわれの見方を刷新した.蛋白質の静的な構造のみならず動的な振る舞いまでもが進化的に設計されていると考えられる.


蛋白質フォールディングのファネル理論と動的機能
高田彰二

蛋白質フォールディングの理論研究は,郷 信広らの70年代からの研究に端を発し,90年代にファネル理論とよばれる枠組みに発展し,新しい描象を確立させた.


蛋白質を引っ張る力学的アンフォールディング
猪飼 篤

蛋白質の立体構造図を見ていてαへリックス構造を力ずくで引き伸ばしてみたいと思った人はいませんか.引っ張ってみると蛋白質には柔らかいものがあることがわかってきました.その方法をご紹介します.
 Review

植物は自分の花粉をどうやって見分けるか
アブラナ科植物の自家不和合性の分子機構
磯貝 彰・高山誠司

同じ花の中にある雄しべと雌しべでは,受精しない植物が多い.植物がどのようにして,自分の花粉を見分けて自殖を避けているのか,ダーウィンの時代からの疑問のひとつが明らかになった.

今月のKey Words

モルテングロビュール状態/アミロイド線維/振動分光法/フォールディング・ファネルとエネルギー地形

 Short Review

分子プローブを用いたDNAポリメラーゼβとDNAトポイソメラーゼIIの立体構造相関の解析
水品善之・笠井信幸・菅原二三男・坂口謙吾

DNAポリメラーゼβとDNAトポイソメラーゼIIは立体構造上の共通性はないが,両酵素蛋白質の選択的阻害剤(分子プローブ)を用いることにより立体構造的な機能に新たな情報を与えた.

 解説

ES細胞を用いた拒絶反応の回避
再生医学のさらなる挑戦
多田 高・多田政子

ES細胞を用いて体細胞核を再プログラム化し,再生医療に適した万能細胞をつくりだすことにより,拒絶反応を回避することが可能となるか.その新たな試みを紹介する.
 Fraction Collector

形態進化の謎にせまる発見 Hox蛋白質の変異による昆虫への進化

重力も小胞で運ばれる? 植物の重力屈性と小胞輸送機構の関係

リボソームDNAの裏
リボソームRNAの相補鎖から蛋白質がつくられていた

"rational design"への道遠し
白血球インテグリンの阻害化合物はどこからきたか?

ダウン症でのアップ・アンド・ダウン
神経幹細胞におけるNRSF-SCG10遺伝子発現系の狂い

限られた資源は大切に使おう 代謝系酵素を利用した抗酸化システム

弾性線維の形成に必須の蛋白質

今のままのあなたが好き ベンズイミダゾールリボシドの効き具合は?

BDNFが作用するのはプレシナプスかポストシナプスか?

 シリーズ あなたにも役立つバイオインフォマティクス

(13)公共データベースに登録する

DDBJへの登録 宮崎 智

PDBへの登録 楠木正巳

DDBJとPDBは研究者からの直接データ登録によって成り立っている.その具体的な登録方法や,編集・公開のプロセスを紹介する.

 追悼

濱口浩三先生の研究「私が愛した蛋白質」
後藤祐児

上品なアカデミズム 日本理学の伝統
猪飼 篤

 私の博士論文

分化は人生 破骨細胞への道
宮本健史

 Book Review

 Cuvette

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