mRNAサーベイランス
ナンセンス変異が存在するmRNAは生体内で積極的に分解される.この現象の普遍性と分子機構の解明が急速に進みつつある.この現象の理解はまったく新しい創薬の設計思想を提示できる可能性を秘めている.リン酸リレー情報伝達の普遍性と多様性 バクテリアから高等植物まで 水野 猛・鈴木友美 ヒスチジンとアスパラギン酸のリン酸化を介した情報伝達機構は,進化的に最も成功を収めた多様で可塑性に富んだ“生物的ITシステム”である.
光で遺伝子発現を操る方法の開発
Bch-diazoとよばれる分子を使ってmRNAの翻訳活性を,紫外線の照射によって調節できるようになり,遺伝子機能の解析への応用が期待されている.その開発の経緯を紹介し,化学と生物学の接点に焦点をあてる.グループIIイントロンによるレトロトランスポジション 蛋白質とRNAがくり広げる華麗なダンス 松浦 学 グループIIイントロンの転座反応には,切り出されたイントロンRNAが直接ターゲット2本鎖DNAに挿入されるというユニークな特徴がある.リボザイムRNAとmaturase蛋白質の共同作業による緻密なメカニズムには改めて驚かされる.GGAトリプレットリピートDNAが形成する特異な高次構造とその生物学的意義 片平正人 DNAの二重らせん構造は,ワトソンとクリックによって見いだされたが,DNAがいつもこのような構造をとっているかというと,そうでもない.今回GGAのくり返し配列からなるDNAが,風変わりな高次構造を形成することが示された.NMRによるリゾチームS-S結合再生中間体の構造解析 蛋白質折りたたみ機構の解明に向けて 瀬川新一・横田 篤・野田康夫・橘 秀樹 リゾチームのS-S結合欠損変異体をNMRによって詳細に構造解析した結果,CヘリックスとN末端αドメイン間の特異的結合反応がリゾチームの折りたたみ構造の骨格を決める重要なステップであることが明らかになってきた.
インテグリンαVβ3の立体構造
代表的細胞接着レセプターであるインテグリンの1つαVβ3の立体構造がついに解明された.予想もされなかったその“お辞儀”構造は,いまだに謎であるリガンド結合活性制御の機構にヒントを与えるのか?
膜に錨を下ろした増殖因子
炭疽菌毒素の細胞表面受容体の同定
熱から糖へ!? 新生にかかわる因子の同定 γ-セクレターゼをゆるがす非ステロイド系抗炎症剤 貴方とならばどこまでも
生体の感染防御に関与するヒトと植物の共通因子
B細胞の生存を促す新規BAFF受容体
2001年度 ノーベル医学・生理学賞をめぐって
蛋白質一次構造の研究を顧みて
現代蛋白質科学の黎明期から,蛋白質の一次構造の研究がどのように発展してきたかを,著者のこの半世紀の実体験に基づいて紹介する.
(10)アミノ酸配列から立体構造を予測する
21世紀を迎え,蛋白質の構造認識法は実用レベルに達してきた.配列プロフィールの利用など,多彩なオプションを搭載した現代的な構造認識法を概説し,その利用方法を実演する.
学術振興会 公開シンポジウム
王道を行く
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