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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.46 NO.15 2001
    蛋白質 核酸 酵素

12

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 特集

リソソームへ!
編集:吉森 保

特集にあたって
吉森 保

総論 “細胞が自分を食べる”
細胞質からリソソームへの輸送システム:オートファジー
吉森 保

オートファジーは,細胞が自己の一部をリソソームに運び分解・再利用する細胞内リサイクルシステムとして,細胞の代謝回転や種々の生体機能を担う.特異な膜動輸送であるその分子的実態が最近明らかになってきた.

分子選別ステーションとしての後期エンドソーム
石堂美和子・大橋正人

エンドソームは環境に応答して変容する精妙な選別ステーションである.エンドソーム選別輸送の脂質および脂質−蛋白質相互作用の果たす分子機構と,シグナル伝達制御における役割が注目されている.


リソソーム膜蛋白質の機能
田中嘉孝・藤田英明

長らく不明であったリソソーム膜蛋白質の機能が明らかになりつつある.単なる構造膜蛋白質ではなく小胞輸送やオートファゴソ−ムとの膜融合など,リソソーム膜のダイナミクスを調節するリソソーム膜蛋白質の潜在能力について論じる.


酸性オルガネラの機能 動物の固体レベルから

孫 戈虹・和田 洋・二井將光

真核細胞のエンドソーム,リソソーム系オルガネラの内腔は酸性に保たれている.また,破骨細胞の骨吸収窩,尿細管,輸精管などにおいて細胞外の酸性環境が形成されている.酸性環境は固体において多くの生理機能と密接に関係している.


液胞 リソソーム機能をもつ植物の巨大オルガネラ

松岡 健

植物にあるリソソームの親戚の巨大オルガネラである液胞は,あるときは蛋白質や色素を貯め,あるときは蛋白質を壊す.また,機能の変換に応じて姿を変え,それに応じて蛋白質の輸送機構も変えている.



 Review

マラリア原虫寄生の分子戦略とワクチン開発
堀井俊宏

マラリア原虫は巧みな寄生戦略によって宿主の防御免疫機構から回避している.マラリアワクチンの開発はマラリア原虫と科学者との分子論的な闘いである.

 Short Review

真核生物ポリペプチド鎖終結因子の終止コドン認識機構
ペプチドアンチコドンのウォブル仮説
村松知成

真核生物翻訳終結因子eRF1の終止コドン認識機構を説明する新しい仮説を示す.eRF1によるtRNAの模倣(分子擬態)が,分子の全体構造にとどまらず,コドン認識メカニズムにも及んでいることを主張する.

第4のリンパ球NKT細胞の発生の場
胸腺内,胸腺外での分化
島村道夫

最近発見された第4のリンパ球NKT細胞の発生は,これに特徴的なインバリアントなTCRα鎖のV-J結合部位遺伝子配列の解析から大多数は通常のT細胞同様胸腺で起こるが,一部分発達期の肝臓内でも起こることが明らかとなった.

 新ミレニアムへのメッセージ

21世紀に向けて思うこと
三浦謹一郎

ゲノムから学ぶこと
郷 通子

ゲノム研究事始め 遺伝学と生化学,工作少々
小原雄治
 Fraction Collector

恐怖症の遺伝的素因が見つかるか?

核内で蛋白質合成が行なわれている?

蛋白質の逢瀬を垣間見る

抗体遺伝子の核内局在性が語るもの
対立遺伝子排除とイソタイプ排除

ほとぼりが冷めるまではおとなしく
酵母のストレス応答に対するエコロジーシステム

一人二役? イオンチャネルの多機能性

液胞融合とエルゴステロール
新たに見つかったエルゴステロールの仕事

HDLはなぜ体に良いのか?
HDLによる内皮型NO合成酵素の活性化

家族性乳がん抑制遺伝子 BRCABRCA21
DNA修復を促進してゲノム安定性を維持す

 シリーズ あなたにも役立つバイオインフォマティクス

(8)立体構造の類似性を知る
木寺詔紀

蛋白質の立体構造が似ているとき,何を言うことができるか.座標値に見られる豊富な情報量を有用な知識に変換するためには,この立体構造の類似性検索から始めなければならない.

 私の博士論文

現実となった夢
園田純一郎

 今月のKey Words

オルガネラ,細胞内膜系 メンブレントラフィック/膜動輸送
分子選別/仕分け コレステロール

 Cuvette

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