PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.46 NO.13 2001 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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大きな構造フレームで捉えるシグナル伝達
編集:箱嶋敏雄
序
箱嶋敏雄
総論 シグナル伝達の構造フレームを考える 細胞外マトリックス・受容体/細胞接着分子・細胞骨格
箱嶋敏雄
直接の分子間相互作用を通した「細胞外マトリックス・細胞膜および膜上の蛋白質・細胞骨格」という構造フレームは,細胞接着からの描像ではあるが,他の受容体を介したシグナル伝達においても意義があるだろう.
ヘパリン/ヘパラン硫酸を介した増殖因子のシグナル伝達
岩崎わかな・稲垣冬彦
ヘパリン結合性成長因子にとって,細胞外マトリックスのヘパラン硫酸との相互作用は機能発現に必須である.最近の構造生物学的研究により,ヘパラン硫酸を介した増殖因子のシグナル伝達機構が視覚的に理解できるようになった.
接着分子・受容体へ集積する蛋白質の構造研究
浜田恵輔・箱嶋敏雄
細胞骨格を膜に連結するERM蛋白質は,N末端に存在するFERMドメインと細胞膜リン脂質や接着分子との相互作用を通して細胞膜と会合する.複合体の構造解析から,FERMドメインの膜会合機構が明らかにされた.
膜結合蛋白質ドメイン,ホスホイノシチド結合ドメインの新展開
廣明秀一
新しい膜結合蛋白質ドメインの同定と立体構造解析が相次いでいる.それに伴い,1つのポリペプチド鎖に複数の膜結合ドメインを含む蛋白質が数多く見いだされた.これらは何を意味するのだろうか?
アクチン線維を切断するコフィリンファミリーとゲルゾリンファミリー
畠中秀樹・森山賢治
コフィリンとゲルゾリンの2つの蛋白質ファミリーは,アクチン線維という巨大分子複合体をシグナルに応じて鮮やかに解体・再構成する.その線維切断のメカニズムに迫る.
シグナル伝達分子の機能制御機構
清水敏之
自己制御機構は普遍的に見られる機構のひとつである.蛋白質は活性を抑えるために自己阻害領域をどのように利用しているのか.本稿では立体構造から明らかになった自己抑制機構を最新の知見を基に概説する.
生体膜の物性とラフトとそれに濃縮する蛋白質群
児嶋長次郎
生体膜は均一な“海”ではなく,局所的に組成や物性の異なる“筏”や“凹み”が存在する.シグナル伝達において重要なこれら膜ドメイン構造を,膜の基本的な物性から説明する.
記憶と遺伝子発現研究の最近の進歩
小脳LTD初期過程への蛋白質合成の関与
山森哲雄
従来,遺伝子発現は記憶の後期過程にのみ必要とされていた.しかし,運動学習の基本的素過程とされている小脳LTDをスライス標本で調べると,蛋白質合成が小脳LTDの初期過程から関与していることが強く示唆された.
αCaMキナーゼII mRNAの樹状突起への輸送メカニズム
森 泰丈・遠山正彌
神経細胞は樹状突起に局在するmRNAから蛋白質を合成することができる.しかしその詳細なメカニズムは十分に解明されていない.mRNAが樹状突起にターゲティングされる機構に焦点をあてて概説する.
大腸菌のポストシーケンスゲノム解析
森 浩禎・堀内 嵩・礒野克己・和田千惠子・金谷重彦・北川正成・荒 武・大島 拓
新しい学問の立ち上げは多くの困難を伴うものである.ゲノム生物学は,現在,十分認知された学問となってはいるが,これからその真価を問われる.新たな分野として,さらなる展開が期待される.
21世紀へ向けて物語性豊かな生命科学を
宇井理生
研究の原点への回帰
山本正幸
細菌はナイスバディ!!
“無限”と“有限” 花序分裂組織と花芽分裂組織
リサイクルするにも分別が必要
ジョーズはいずこ? ミトコンドリアDNAは何を語るか
老化研究へのノックアウト 筋萎縮性側索硬化症研究の新展開
クローン病の疾患感受性遺伝子の発見
原因不明の疾患に一筋の光
アグリンによる免疫シナプス形成促進とT細胞活性化 神経シナプスと免疫シナプスの共通性
シリーズ あなたにも役立つバイオインフォマティクス |
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(6)立体構造を手に入れる PDBの利用方法
楠木正巳
生体高分子の立体構造データはプロテインデータバンクとして編集され,インターネット上で公開されている.この複雑なデータを利用するための基本的な操作を具体的に紹介する.
ペリプラズムへの旅立ちを生化学する
薬師寿治
G蛋白質 アダプター蛋白質 自己制御
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