PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.46 NO.10 2001 |
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A4変型判 100ページ T1105941081589
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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発生進化の分子機構 動物と植物の共通性と多様性
編集:長谷部光泰
特集にあたって
長谷部光泰
単細胞生物から多細胞生物への進化
井上 勲
真核生物は数十の起源の異なる生物群からなり、そのなかで多細胞化は複数の系統で独立に生じた。とくに、二次共生によって多様化を果たした酸素発生型光合成生物では、多くの系統で多細胞化生物が進化した。
植物の発生メカニズム 後生動物の発生とどれだけ違うのか
塚谷裕一
近年、シロイヌナズナにおける知見を中心に、植物の発生過程を司る遺伝制御経路の理解が進んできた。そこで働く遺伝子の顔ぶれは、意外に動物と共通しているが、相違点もまた多い。植物という多細胞システムの遺伝子的背景を探る。
多細胞動物の発生と進化 脊椎動物への4つのステップ
和田 洋
動物の形作りにHox遺伝子などの共通の仕組みがあることがわかってきた。では、形の違いはどこからくるのか?遺伝子が新しい発現を獲得してきたことが鍵だったかもしれない。
動物の発生におけるTボックス遺伝子ファミリーの機能進化
高橋弘樹
Tボックス遺伝子は、どのように多様な機能の特異性を獲得したのであろうか。Tボックス遺伝子の発現制御領域やターゲット遺伝子の解析から、Tボックス遺伝子ファミリーの機能特異性の進化を探る。
MADSボックス遺伝子と植物の生殖器官の進化
長谷部光泰・小藤累美子・田辺陽一・伊藤元己
種子植物、シダ、コケ、シャジクモ類におけるMADSボックス遺伝子の発現様式、機能の比較解析から、遺伝子重複によるMADSボックス遺伝子の数の増加と発現場所の変化が、緑色植物の生殖器官進化にかかわってきたことがわかった。
ギャップ結合 細胞間情報伝達を調節する分子機構
豊福利彦・矢吹正典・堀 正二・多田道彦
ギャップ結合は細胞間の直接的な情報伝達に深く関与する。ギャップ結合の心筋細胞での役割を中心に、構成蛋白質であるコネキシンの構造から心疾患との関連までを、筆者らの実験結果をふまえて概説する。
筋小胞体カルシウムポンプの構造決定
豊島 近・中迫雅由・野村博美・小川治夫
P型イオンポンプを代表する筋小胞体カルシウムATPaseの構造がカルシウム結合状態に関し原子レベルで決定され、細胞質領域での大きな構造変化が示唆された。この結果、能動輸送の研究は新時代を迎えることになった。
共通性と多様性 オーソログとパラログ
RNA interference (RNAi) 2本鎖RNAを介した遺伝子発現抑制機構
牛田千里
最近RNAiを試したという話をよく耳にする。しかしその作用機構については不明な点も多く、RNAiがうまく働くか否かは運しだいというところがある。本稿では近年急速に明らかにされつつあるRNAiの機構について紹介する。
Never Give Up !
岡崎恒子
自然・科学・人間
永山國昭
“アリ地獄”の毒はシャペロニンだった
善良な貴婦人(シャペロン)が悪魔(コレラ)の手先に?!
ネプリライシンはアルツハイマー病の特効薬か?
中枢神経再生の鍵を握るNogo受容体の同定
夢膨らむ骨髄細胞による心筋再生
BDNFはドーパミン受容体のブースター
分子にひと筆を書き足して起こる変化 フォールドエディティング
“膜貫通”情報伝達(?)の仕組みいろいろ CTLA-4/B7複合体の結晶構造
生体の防御は細菌との接触から能動的に行なわれる 表皮細胞自身の分泌する抗バクテリアペプチド発現にimd遺伝子が関与
細胞はどのようにして環境の酸素濃度を知るのか? 酸素濃度センサーとしてのプロリン水酸化酵素
シリーズ あなたにも役立つバイオインフォマティクス |
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(4)配列から遺伝子の進化を探る
斎藤成也
DDBJのホームページで提供しているClustalWを用いて、分子進化学解析の基本の1つである、遺伝子系統樹の作成法について、具体的に解説する。
地図を作る仕事
横溝岳彦
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