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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME

VOL.45 NO.1 2000

    蛋白質 核酸 酵素

1

B5判 104ページ T1105941011234

ISSN 0039-9450

共立出版株式会社
 
特集 組織特異的遺伝子発現のマスターレギュレーター
    PEBP2/CBF/AML1
   
編集:伊藤嘉明

序説 伊藤嘉明

ショウジョウバエのRunt, Lozengeによる分化制御
細谷俊彦・藤岡美輝・James B.Jaynes・広海 健

ショウジョウバエRuntドメイン蛋白質は分節過程、性決定、複眼分化などの発生過程で重要な働きを果たすが、血球系列分化においても進化的に保存された生理機能があることがわかった。

骨形成のマスターレギュレーターPebp2αA/Cbfa1
小守壽文

最近、骨の領域も分子生物学的解明がなされてきており、Pebp2αA/Cbfa1 が骨芽細胞分化のマスター遺伝子であることが明らかになった。その発見は、白血病の原因遺伝子の解析中に予期せず見つかり、骨研究者たちに大きな衝撃を与えた。

造血システムの発生とAML1
小川峰太郎・横溝智雅

造血幹細胞の発生起源を探る長い旅は、いま血管内皮にたどりついた。AML1は血管内皮からまさに血液細胞が生まれるステップを調節する重要な因子として注目されている。

急性骨髄性白血病遺伝子AML1 のヒト白血病における関与
 I AML1-MTG8による白血病発症機構
 北林一生・大木 操

急性骨髄性白血病に最も高頻度にみられるt(8;21)転座において、AML1-MTG8はヒストン脱アセチル化酵素複合体としてAML1複合体とは競合的に成熟好中球への分化を阻害することが明らかとなった。

 II AML1/EVl-1の白血病原性
 三谷絹子・平井久丸

キメラ型転写因子の形成および転写因子遺伝子の異所性発現は、白血病発症の主要因である。これらの変異遺伝子の機能解析は白血病の発症機構について多くの知見をもたらした。

 III AML1/PEBP2αBの機能消失と白血病原性
 大里元美・麻生範雄・伊藤嘉明

点突然変異、家族発症という白血病化の新しいルートが同定された。これによりキメラ遺伝子による白血病化の理解も進み、AML1の"量"の問題がクローズアップされてきた。

TGF-β/BMPのターゲットPEBP2/CBF
花井順一・宮園浩平

多彩で重要な生理活性を発揮する転写因子群SmadとPEBP2/CBF。この両者が結合して協調的な転写活性を有することが判明した。PEBP2/CBFはSmadの核内ターゲットとして働いている。

PEBP2/CBFによる組織特異的遺伝子発現制御の分子的基盤
重定勝哉

最近、PEBP2のαサブユニットの中核をなすRuntドメインとβサブユニットの立体構造がNMR解析により決定された。PEBP2の分子構造と組織特異的転写因子としての機能的特徴に焦点を絞って紹介する。

【Fraction Collector】
“蛋白質導入治療”への道

アミロイド蛋白質生成酵素の1つが判明 ―β-セクレターゼのクローニング

BACE2はダウン症原因遺伝子か?

ヒト正常細胞をがんに導く3つの蛋白質

テロメラーゼ阻害によるがん治療

NK細胞活性化を導く新たなMHC

体の大きさはどのように決まる? ―小さな細胞が小さな体をつくる

熱ショックとHSPの新たな生理機能

花弁の形態進化にDNAメチル化が関与?


【解説】
マイクロチップ・ナノチップテクノロジーによる超高速DNA解析
馬場嘉信

21世紀のDNA解析は指先サイズのチップを使い、数万種類のサンプルでさえも数秒で終了することになるだろう。半導体技術が引き起こすバイオテクノロジー革命の最前線を紹介し、将来を展望する。

電気泳動マイクロチップ作製技術の現状
中西博昭・西本尚弘・阿部浩久

マイクロマシニング技術を用いて高精度な加工を施した十数mm角のチップ上でキャピラリー電気泳動を行なう、チップ電気泳動研究が注目されてきた。電気泳動チップの加工技術を概説する。

キャピラリー電気泳動をこえて 高木俊夫

【パソコン bit by bit】
研究室のホームページを作ろう! 関口博史


【Book Review】 【今月のKey Words】


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