
【座談会】
化学の枠を越える新しい化学
ー30年後に花開く新しい化学の姿を考えるー
上村大輔・中村栄一・細野秀雄
緑色蛍光タンパク質(GFP)のように, 30年のちに化学の枠を大きく越えて展開するような化学研究を今から始めてゆこう.
○ナノ繊維の交点を反応場に使う
○ウイルスとカーボンナノチューブでつくる電池用電極
○機械的な力でオンーオフできる触媒
○グラフェンの端構造の変化:炭素の動きを高分解能で追跡
○より安全なヒトiPS細胞の開発が進む
○科学者ロボット“アダム”登場 (出典:R. S. Kingほか, Science, 324, 85(2009))
○緑色蛍光タンパク質の本来の役割 (出典:K. Lukyanovほか, Nature Chem、 Biol., DOI:10.1038/nchembio.174(2009))
○二酸化炭素をメタノールに変換する (出典:S. N. Riduan ほか, Angew. Chem. Int. Ed.,
48, 3322(2009))
○クモの糸をさらに強くする (出典:S. Lee ほか, Science, 324, 488(2009))
○PETボトル中の水のエストロゲン活性 (出典:M. Wagner ほか, Environ. Sci. Pollut. Res.,
16, 278(2009))
○朝型人間と夜型人間の活動時間の違い (出典:C. Schmidt ほか, Science, 324, 516(2009))
光化学的に遺伝子を操作する
藤本健造(北陸先端科学技術大学 院大学教授)
遺伝子操作といえば酵素を使う方法が確立されているが, 生体分子ならではの制約が多い. 酵素にはない強みをもつ, 光による新しい操作法を紹介.
冷たいプラズマによる液中化学反応
−重合から殺菌までー
北野勝久・浜口智志
指で触っても熱くない“冷たいプラズマ”が, いろいろな用途に役立ちそうだ. 物理と化学と生物の連携で応用可能性が拓けつつある現状を述べる.
トリカブト毒・今昔物語
−ジェサコニチンの単離から100年ー
一戸良行(日本大学名誉教授)
いまの時期, 北海道ではトリカブトの花が咲く. 代表的な毒の単離から100年を振返りつつ, 天然物化学における研究方法の変遷を眺める.
■化学基礎講座■
偏光ラマン顕微鏡(2)━ タンパク質を見る
坪井正道(東京大学名誉教授)
輪島への旅 漆を探る(4)塗師屋の工房へ
米山輝子(元 北海道大学講師)
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10分で読める有機化学トレンドウォッチ(15):反応機構解明から創薬まで 広がる重水素の可能性
佐藤健太郎(東京大学特任助教)
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ニュースになった化学物質(4):
結石をつくる物質 −メラミンによる結石は自然にできる結石とどう違うのかー
A.T.Tu(コロラド大学名誉教授)
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私の化学論(16):
科学の時代と科学哲学 −アメリカの世紀ー
妹尾 学(東京大学名誉教授)
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■あれこれ
毛髪カラーリングは化学のかたまり
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■やじうまかがく
植物あれこれ |
■セキララかがく
ラーメンでエコ |
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