BIOWEBホームへ

PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.47 NO.13 2002
    蛋白質 核酸 酵素

10

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 


 ■ 特集

クローン動物の頻発異常とエピジェネティクス
編集:河野友宏・佐々木裕之・中辻憲夫

序論
河野友宏・佐々木裕之・中辻憲夫

体細胞クローンマウスの異常
井上貴美子・越後貫成美・持田慶司・小倉淳郎

クローンマウスの解析により,クローン特有の表現型の異常は遺伝的背景など一定の法則のもとに現われることが明らかにされた.今後クローンマウスは,ゲノム再プログラム化機構の解明などの最適なモデルとなるであろう.

クローンウシにおける核の初期化と頻発異常
角田幸雄・加藤容子

体細胞クローンウシの半数は種々の原因で死亡している.クローン個体作出技術を有用動物の改良,改変,保護や医学分野へ応用するためには,信頼性の高い技術を確立することが必須であり,社会的要請の大きい課題である.

核移植における細胞周期制御と核のリプログラミング
黒坂 哲・今井 裕

体細胞クローン技術に用いられている核移植法は,まったく性質の異なった2種類の細胞を1つにする作業である.このときクローン胚ではどのようなことが起こっているのであろうか.

クローンマウスの異常は子孫に伝達しない
下澤律浩・小野由紀子・河野友宏

体細胞クローンは,多様な発生異常が伴っていることがわかってきた.一般的に個体の形質は次世代へ受け継がれるが,クローンに認められる異常ははたして次世代へ伝わってしまうのであろうか?

クローンマウスにおけるエピジェネティクス
金児-石野知子・幸田 尚・石野史敏

体細胞クローン誕生の重要な2つの条件は,体細胞における個体発生記憶の初期化と,体細胞型のゲノムインプリンティング記憶の保持である.クローン動物における2つのエピジェネティック系について解説する.

ゲノムインプリンティング,X染色体不活性化とDNAメチル化
佐々木裕之

クローン動物ゲノムのリプログラミング過程において,インプリンティングやX染色体不活性化はどのような影響を受けるのか.DNAメチル化との関係を踏まえて概説する.

DNAメチル化コードと発生のエピジェネティクス
服部 中・塩田邦郎

DNAメチル化はエピジェネティクスの中心的なメカニズムのひとつと見なされるに至った.DNAメチル化システムの組織特異的な遺伝子調節機構を解説しながら,クローン動物異常とのかかわりを考える.
 ■ Short Review

骨の生物学と免疫学の融合
破骨細胞分化因子(ODF/RANKL)の発見がもたらしたもの
須田立雄・島 伸行・東尾侃二

破骨細胞分化因子(ODF/RANKL)がTNFのリガンドファミリーに属する新規のサイトカインとしてクローニングされ,骨の生物学と免疫学は不可分の関係となった.ODF/RANKLの発見の経過とその後の研究の進歩を紹介する.
 ■ 今月のKey Words

核のリプログラミング エピジェネティクス 刷込み遺伝子

 ■ ゲノム情報

放線菌の全ゲノム配列決定とその意義
池田治生・石川 淳・大村 智

放線菌streptomycesは抗生物質生産菌としての重要性のみならず,原核細胞生物で最大のゲノムを有する興味ある微生物である.また,染色体は線状構造を有し,下等真核生物の出芽酵母よりも多くの遺伝子を保有する.

 ■ Fraction Collector

22番目のアミノ酸,ピロリジン

細胞内外で活躍するクロマチン蛋白質HMGB1

あちらと思えばまたこちら
分子プローブとしてのイミダゾールヌクレオチド

温度センサーとしてのTRPチャネル

脂質分子はシャペロンとして機能するか?

HIVによるネクローシスの誘導
ヘルパーTリンパ球の減少はネクローシスによる感染細胞死か?

γ-セクレターゼ複合体の全容解明

これで少しは気分が落ちつく
これまでわからなかった3つの躁鬱病治療薬の共通の標的

 ■ シリーズ あなたにも役立つバイオインフォマティクスII New

シリーズを始めるにあたって
菅原秀明

(1)Evolutionary Traceを利用して蛋白質の相互作用情報を読み取る
市原寿子・藤 博幸

evolutionary trace法により蛋白質どうしあるいはDNAとの相互作用領域を予測できる.evolutionary traceの原理とそのサービスを行なっているWebサイトを紹介する.

 ■ 追悼

蛋白質X線結晶解析の父,Max Perutz博士をしのんで
長井 潔

 ■ 研究室における危険物と試薬の管理(3)

危険物質各論
福士謙介・稲寺秀邦

 ■ 学会見聞記

第13回シロイヌナズナ国際会議に出席して
藤原 徹

 ■ 私の博士論文

ビギナーズラック それから得た財産
米原利栄

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・大学院生・アナウンスメント 索引

 ■ 次号予告

 ■ 後付3 広告索引

公募・大学院有料化のご案内(後付1)

第75回日本生化学会大会 教育セミナー
脊椎動物の臓器形成と移植
湯島 誠 (後付2)


[バイオウェブ - HOME]BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp